相続通信 2019年6月号
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続 個人版事業承継税制

 

 前回「個人版事業承継税制」について概要をお伝えいたしましたが、今回は詳細の一部をお伝えしたいと思います。

 後継者が事業を引き継ぐにあたって、先代の事業主から事業用の資産を贈与または相続により取得すると、通常は贈与税または相続税の課税対象となり、一定額以上になれば納税が必要になります。

その贈与税または相続税を猶予・免除するのが、この「個人版事業承継税制」です。

今回は、この税制の対象となる「事業用資産」について詳しく見ていきたいと思います。

 この制度の対象となる事業用資産(特定事業用資産という)とは、先代の事業主(贈与者・被相続人)の事業に使われていた下記の資産で、贈与または相続の日の属する年の前年分の事業所得にかかる青色申告書の貸借対照表に計上されていたものです。

 

 ①宅地等(400㎡まで)

 ②建物(床面積800㎡まで)

 ③②の建物以外の減価償却資産で下記のもの

 ・固定資産税の課税対象とされているもの

 ・自動車税または軽自動車税の営業用の標準税率が適用されるもの

 ・その他の一定のもの(貨物運送用など一定の自動車、乳業・果樹等の生物、特許権等の無形固定資産)

 

※先代の事業主が配偶者の所有する土地の上に建物を建てて事業を行っている場合における土地など、先代の事業主と生計を一にする親族が所有する上記①から③までの資産も特定事業用資産に該当します。

※後継者が複数人の場合には、上記①および②の面積は各後継者が取得した面積の合計額で判定します。

※先代の事業主からの相続により取得した宅地等について、小規模宅地等の特例を受ける者がいる場合には一定の制限があります。

 

高額な事業用資産を所有し、後継者に事業の引き継ぎをお考えの方は、是非ともご相談ください。

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