退職手当金等
法人の役員が亡くなられた時には、死亡退職金を支払うケースがあります。今回は、退職金と各種税金の関係を見ていきたいと思います。
相続税との関係
被相続人が亡くなられたた日から3年以内に支給が確定した退職手当金等は、相続財産になります。しかし、全額が相続財産となるわけではなく、以下の金額までは非課税となります。
500万円 ? 法定相続人の数
また、会社の退職金規定で弔慰金を支払う旨の定めがある場合には、以下の弔慰金の金額までは、相続財産から除かれることになります。
業務上の死亡に該当する場合・・・・・普通給与額の36ヶ月分
業務上の死亡に該当しない場合・・・普通給与額の6ヶ月分
ただし、退職金を名目上弔慰金として支払った場合には、この取扱いはありませんので、退職金規定を整備しておく必要があります。
法人税との関係
適正と認められる金額以上の退職金を法人の役員に支払った場合には、その適正と認められる金額を超える部分の退職金は、法人税法上の経費として認められません。
法人税法上の経費として認められないということは、会社の決算書上は経費として計上されていても、法人税を計算する際には、その部分を経費から除きますので、法人税を通常よりも多く支払うことになります。
適正と認められる金額については、一般的には以下の計算式によって計算します。
最終役員報酬月額 × 勤続年数 × 貢献度による倍数
貢献度による倍数については、社長の場合には通常3倍までと言われています。
所得税との関係
死亡退職金に対する所得税は、課税されません。
これは、所得税は退職金などの支払いを受けた当人に課される税金のため、当人以外の遺族などに支払われる退職金には課税はされないようになっているからです。