相続通信 2018年2月号
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事業承継税制が大幅に拡充

 

 非上場会社株式等にかかる相続税、贈与税の納税猶予が大幅に改正され、使いやすくなります!

 現行の内容では、自社株承継時の実際の納税者負担割合が47%あったため、経営者の『世代交代』を促すのに不十分で、この税制を活用しづらい状況にあったため、高齢化が進む企業経営者の世代交代を一気に図りたい、また、廃業を防ぐという狙いから、今回の改正により納税負担がゼロになります。平成30年1月1日~平成39年12月31日までの10年間の特例措置となっています。
今回は、大きな改正ポイント4つに絞ってみていきたいと思います。

 

①納税猶予される株式の割合が100%になります!

 

改正前:発行済株式の3分の2を上限として猶予される。

改正後:3分の2の上限がなくなり、発行済株式のすべて(100%)が猶予されます。

②納税猶予される税額が全額になります!

 

改正前:対象株式にかかる相続税額の80%が猶予される。
改正後:対象株式にかかる相続税額の全額(100%)が猶予されます。

③後継者の人数が拡大されます!

 

改正前:先代経営者から後継者1名へ贈与・相続される株式のみを納税猶予制度の対象としていた。

改正後:会社の代表権を有する複数人(最大3名)への承継も対象になります。(細かい条件あり)

 

④従業員の雇用確保の要件が緩和されます!

 

改正前

事業承継税制適用後、5年平均で8割以上の雇用を維持できなければ、猶予された税額の全額を納付しなければならない。

 

改正後

5年平均の8割を下回っても、認定経営革新等支援機関の指導・助言に基づいて理由報告を行えば、納税猶予が継続されます。

 

※ 改正後の事業承継税制を適用するためには、今後5年以内に承継計画(仮称)の作成、認定経営革新等支援機関の指導及び助言が必要になります。(さくら中央会計は認定支援機関です。)

 

相続税対策はいつからがよいか??

 先日、70代前半のお客様の相続税対策の提案へ伺いました。秋ごろから、まずは現状把握が必要ですよとお伝えし、その試算結果の報告と対策についての話をしてきました。

 評価をしてみると、不動産の評価で全体の4分の3を占めていましたが、利用状況や立地条件などから不動産の評価を下げる対策は現状ありませんでした。
 養子縁組による基礎控除額・生命保険金非課税枠の増加、自社株を暦年贈与することによる所有株式数の減少、会社への貸付金減少が節税方法としてご提案できました。

 それらにより、地道な対策をしていけば、大幅な節税が可能です! 何より、早めの検討ができたからこそ、いろいろな対策ができると感じ、改めて相続対策に早すぎることはないと感じた今日この頃です。

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