相続通信 2018年6月号
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農地等の納税猶予

 

日本の税制は、農業に対して様々な優遇措置が取られています。相続税法では、農地等を相続又は、贈与により取得した場合に、一定の要件を満たせば納税を猶予してくれます。

今回は、そのうち、贈与税の農地等の納税猶予についてみていきたいと思います。

 

贈与者の要件

 

贈与の日まで3年以上引き続いて農業を営んでいた個人で、次の要件に該当しない人。

 

(1)贈与をする年の前年以前に、推定相続人に相続時精算課税制度により、農地等を贈与していること

(2)贈与をする年に、今回の贈与以外に農地等の贈与をしていること

(3)過去にこの規定等の適用を受けていること

受贈者の要件

 

贈与者の推定相続人で、農業委員会が証明した個人で、次の要件のすべてに該当する人。

 

(1)贈与を受けた日において、18歳以上であること

(2)贈与を受けた日まで3年以上引き続いて農業に従事していたこと

(3)贈与を受けた後、速やかにその農地等によって農業経営を行うこと

(4)農業委員会の証明の時において、認定農業者等であること

 

農地等の要件

 

贈与者の農業の用に供している農地の全部(採草放牧地、準農地については2/3以上)について一括して贈与を受けること。

 

申告・手続等

 

この規定の適用を受けるためには、贈与税の申告書に一定の書類を添付して、申告期限までに提出するとともに、納税猶予額と利子税に見合うだけの担保を提供する必要があります。

また、この規定の適用を受けた人は、この適用を受けた年の贈与税の申告期限から3年目ごとに、継続届出書を提出になければなりません。継続届出書の提出がない場合には、納税猶予額と利子税を納付しなければなりません。

 

納納税猶予額

 

(1)の金額から(2)の金額を控除した金額になります。

 

(1)その年に贈与を受けた全財産に対する贈与税額

(2)その年に贈与を受けた全財産から農地等を除外して計算した贈与税額

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